常識を疑うことから、タツモの未来は始まる ―「ものづくりプロジェクト」統括インタビュー
プロジェクトタツモでは生産性の高いものづくり体制を実現することを目的とし、「ものづくりプロジェクト」を発足しています。
今回は当プロジェクトの統括責任者であり、当社の取締役事業本部副本部長である山本夕記氏にこれまでの歩みや今後についてお話を伺いました。

プロジェクト開始から約3年。今、どのようなフェーズにありますか?
立ち上げから約3年が経ちました。
正直に言うと、最初から明確な完成図があったプロジェクトではありません。
むしろ、
「今のやり方のままでは、この先も本当に競争力を保てるのか?」
という漠然とした危機感から始まっています。
当初は調達・製造を中心とした小さなメンバーで、まずは「どこに問題があるのかを洗い出すところ」からのスタートでした。

立ち上げ当初、どんな課題意識があったのでしょうか?
当社は半導体製造装置メーカーとして、
“顧客仕様への柔軟な対応”や“一品一様”を強みとしてきました。
ただ一方で、それが理由となって
- 設計が属人化する
- 過去の設計や部品を使い回しにくい
- 生産の流れが見えにくい
といった課題を、長年抱えてきたのも事実です。
「一品一様だから仕方がない」
この言葉に、無意識に甘えていた部分はあったと思います。

最初の取り組みはどんなところから?
最初に着手したのは、在庫と納期の問題でした。
コロナ禍や世界的な部品不足の影響もあり、納期短縮を目的に在庫を厚く持つ判断をした結果、その後は過剰在庫が残ってしまうという状況も経験しました。
当時は、在庫を減らすのか持つのか、簡単に白黒つけられる話ではなく、非常に悩みましたね。
ですが、だからこそ
“なぜ今こうなっているのかを一つずつ分解して考える”
という姿勢がプロジェクトのベースになりました。

コンサルタントの先生からの指摘で印象的だったことは?
「まずは、一般的な企業が当たり前にできていることをきちんとできる会社になろう」
これは、何度も言われました。
決して厳しく否定されたわけではありません。
ただ第三者の視点で見ると、改善できる余地がまだまだある、ということだと思います。
コンサルタントの先生が何かを代わりにやってくれるわけではありません。
変えるのはあくまで自分たち自身です。
ただ、身内だけだとどうしても甘くなりがちな部分を、客観的に整理してもらえる存在として、とても助けられています。

進める中で、一番難しいと感じていることは?
一番難しいのは、「やらされ感」をどうなくすかです。
現状維持は、失敗しないという意味では一番楽です。
仕事を増やしたくない、波風を立てたくない、そう思うのは自然なことだと思います。
だからこそ、「言われたからやる」ではなく、本人が納得した上で取り組めているかを、強く意識しています。
正直、今も簡単ではありません。
それでも、変化を感じる部分はありますか?
あります。
立ち上げ当初は「現状でも問題ない」という前提の資料や説明をよく見かけました。
今は、少しずつですが「じゃあ、どう変えるか」という視点で話がされるようになってきています。
派手な変化ではありませんが、空気は確実に変わってきていると感じています。

プロジェクトの統括として、特に大切にしている考え方は?
私がずっと言っているのは、「常識を疑った先に未来がある」ということです。
規程で決まっているから。昔からこうしているから。
本当にそれは、今の状況でも正解なのか?
そう問い直すことからしか、進歩は生まれません。
以前は、設計者自身が手を動かし、泥臭く実験を繰り返す文化がありました。
最近はデスクワークが中心になり、そうした姿が少なくなっているのは、少し寂しくも感じます。
これから、このプロジェクトはどうなっていくと思いますか?
このプロジェクトには、「これをやれば終わり」という明確なゴールはありません。
だからこそ、社員一人ひとりが考え、問い続けることが大切だと思っています。
すぐに大きく変わるわけではありません。
でも、少しずつでも「当たり前」を見直す会社になれれば、その先には、今よりずっと強いタツモがあると思っています。
