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ガバナンス

【ガバナンス体制】

当社では、社会課題解決と企業成長を両立させ持続可能な未来を実現するためサスティナビリティ委員会を設置しました。サスティナビリティ委員会では、取締役会と連携しながら、推進施策の決定や全社の取り組みの監視を行っています。
環境に対する取り組みについては、サスティナビリティ委員会にて方針を決定、温室効果ガス排出量など環境に関連する状況を部門長会議などを通じて各部長やグループ会社へ共有を行い、全社での進捗状況の監視や取締役会への報告等を行っています。

ガバナンス体制

【サスティナビリティ委員会の概要】

委員長/議長 代表取締役社長
担当役員 総務担当取締役
委員会構成メンバー 取締役
社外取締役
品質保証部長
総務部長
総務部 総務サスティナビリティ課長
事務局:総務部 総務サスティナビリティ課
議論内容
  1. サスティナビリティの基本方針、中長期目標、推進施策、
    その他サスティナビリティに関する重要事項
  2. マテリアリティに関する事項
  3. 環境(Environment)への対応に関する事項
  4. 社会(Social)への対応に関する事項
  5. ガバナンス(Governance)への対応に関する事項
  6. 進捗状況に関する事項
  7. その他、前各号に関して委員会が必要と認めた事項
開催頻度 年2回(4月、10月)

戦略

当社は、将来の気候変動に対するリスクや機会を分析し、各リスクや機会が当社へ与える財務の影響について特定を行いました。リスクがもたらす影響を回避し、機会がもたらす恩恵を享受していく対応策については、現在実践中あるいは計画中の内容も含め、今後整理・検討してまいります。
今般特定したリスクや機会、及び対応策については、定期的な見直しを行うことで、気候変動に関する変化へ機動的に対応してまいります。

【シナリオ分析の検討ステップ】

シナリオ分析を以下のステップで行い、気候変動に対するリスクや機会を特定し、財務への影響を評価致しました。

①分析対象範囲・シナリオの特定

気候変動の影響を特定するため、分析対象の企業と事業、シナリオ及び分析の時間軸について特定しました。

  • 対象の企業:タツモ単体
  • 対象の事業:プロセス機器事業
  • シナリオ:気温上昇1.5℃シナリオ/4℃シナリオ
    ※主な参照資料 IEA World Energy Outlook 2021/IPCC Global Warming of 1.5 ºC
  • 分析の時間軸:2030年
②リスク項目の列挙

気候変動により生じると想定されるリスクと機会を分析しました。

分析対象範囲・シナリオの特定
リスク・機会項目 内容 内容詳細
移行
リスク
移行リスク リスク・機会項目:政策と法 炭素価格の導入 炭素価格の導入により、事業活動に必要なエネルギーコスト及び調達品の価格が増加するリスクがある。
CO2排出量削減目標の達成 国、業界団体等が定めるCO2排出量削減目標を達成するため、設備投資コスト及び運用コストが増加するリスクがある。
テクノロジー クリーンエネルギー技術の普及 クリーンエネルギー技術の普及と化石燃料の使用制限により、再エネ発電の設備投資コストが増加するリスクがある。
市場 需要の変化 市場価格の変化や顧客ニーズの変化により製造コストが増加及び売上が減少するリスクがある。
評判 顧客の評判の低下 気候変動への対策が不十分な場合、環境サプライチェーンが変化し受注が減少するリスクがある。
株価の影響 気候変動への対策が不十分な場合、株価が低下するリスクがある。
物理
リスク
物理リスク リスク・機会項目:急性リスク:
異常気象の激甚化
水害、浸水の被害 製造拠点や事業所/営業所での事業活動が停滞するリスク、及び設備修復コストが増加するリスクがある。
サプライチェーンの分断 気象災害により物流網が崩壊し、調達や販売等のサプライチェーンが分断されるリスクがある。
従業員の被災・通勤/移動の困難 気象災害により、従業員の被災や通勤/移動への影響が発生し、事業活動が停滞するリスクがある。
慢性リスク:
平均気温の上昇
外気温の上昇 製造、保管、物流および事業所における温度管理にかかる費用が増加するリスク、製品の品質低下のリスクがある。主に飛行機輸送において貨物の積載重量制限が課される等、調達や海外販売を含む物流に影響を与えるリスクがある。
機会 機会 リスク・機会項目:エネルギー 再生可能エネルギーの普及 分散型クリーンエネルギー技術の向上により、エネルギーコストの削減、及びエネルギー供給の安定化を実現する機会がある。
リスク・機会項目:製品とサービス 新しい製品・サービスの開発 原材料価格や顧客の環境対応へのニーズの変化を想定した製品の改善や新規製品・サービスの提供により収益拡大の機会がある。
リスク・機会項目:市場 新たな市場や拡大する市場への参入 低炭素経済への移行に向けた低炭素商品やサービス、物理的リスクの管理・対策に役立つ商品やサービスの需要拡大によって生まれる新たな市場への参入の機会がある。
リスク・機会項目:レジリエンス 各種気候関連のリスク・機会への管理・対応能力の向上 気候リスク評価、リスク分散対策など、気候変動への計画的な対応により、事業安定化および強靭な経営・事業基盤の構築、それによる外部評価の向上や株価上昇の機会がある。
③事業インパクトの評価

生じると想定されたリスクと機会について、財務への影響を考慮し大・中・小で評価を行いました。

【特定したリスクと機会に対する財務への影響】

リスク・機会項目 内容 財務への影響
移行
リスク
移行リスク リスク・機会項目:政策と法 炭素価格の導入 コスト増
CO2排出量削減目標の達成 設備投資増
テクノロジー クリーンエネルギー技術の普及 コスト増
市場 需要の変化 売上減 中~大
評判 顧客の評判の低下 売上減 中~大
株価の影響 売上減
物理
リスク
物理リスク リスク・機会項目:急性リスク:
異常気象の激甚化
水害、浸水の被害 売上減
サプライチェーンの分断 売上減 中~大
従業員の被災・通勤/移動の困難 売上減
慢性リスク:
平均気温の上昇
外気温の上昇 コスト増コスト増
機会 機会 リスク・機会項目:エネルギー 再生可能エネルギーの普及 コスト減
リスク・機会項目:製品とサービス 新しい製品・サービスの開発 売上増 中~大
リスク・機会項目:市場 新たな市場や拡大する市場への参入 売上増 中~大
リスク・機会項目:レジリエンス 各種気候関連のリスク・機会への管理・対応能力の向上 売上増

【リスクと機会に対する当社の対策】

  • 自家消費型太陽光発電設備の設置(本社、井原第1・第3・第5工場の各屋上)
    2023年8月より上記工場における自家消費型太陽光発電設備が稼働しております。今後、消費電力の一部を太陽光由来の電力を用いることで、よりクリーンな製造を実現してまいります。
  • 全社照明設備のLED化の推進
    2022年12月より順次LED化を進め、2023年3月に施工完成しております。省電力化を推進することで、化石由来の電力使用量を低減してまいります。
  • 再生可能エネルギー由来の電力などへの切り替え
  • 設備更新などによる電力効率化への取り組み
リスクと機会に対する当社の対策

リスク管理

当社では、事業継続に係る様々なリスクを全社リスクマネジメントの枠組みで分析・対応策の検討を行っており、気候変動に係るリスク管理についてはこの枠組みの中で、サスティナビリティ委員会が主導的に関与し、管理する運用としています。
サスティナビリティ委員会では気候変動関連のリスクを定期的に評価し、事業に与える影響を取締役会に報告します。サスティナビリティ委員会の報告を踏まえ、担当部署にリスク対策を含む事業戦略・中期計画の作成を指示します。

リスクと機会に対する当社の対策

指標と目標

当社は、事業活動を通じたカーボンニュートラルの実現を目指しております。自社のCO2排出量を継続的に把握し、削減目標を達成するために環境へ配意した施策を実行していく予定です。
なお、CO2排出量の把握については、2022年度まで自社単体で算定し開示を行ってまいりましたが、2023年度より国内関係会社に範囲を拡大しました。今後は、当社グループ全体の排出量の把握やサプライチェーン全体の排出量の把握に努め、グループ一体での排出量削減の取組みを行ってまいります。

【CO2排出量の把握】

当社は、自社内でのCO2排出量を継続的に把握することで事業活動が与える環境への負荷を認識し、取組みに反映することで負荷の軽減に努めてまいります。

  • CO2排出量実績

※CO2の排出量の算定には、地球温暖化対策推進法に基づく排出係数を使用。

算定対象会社:タツモ株式会社

リスクと機会に対する当社の対策

(単位:t-CO2)

2021年度 2022年度 2023年度
Scope1 231.7 209.9 242.7
Scope2 3,227.2 3,519.1 3,702.9
Scope1+2計 3,458.9 3,729.0 3,945.6

算定対象会社:タツモ株式会社の国内関係会社

(単位:t-CO2)

2021年度 2022年度 2023年度
Scope1 - - 106.4
Scope2 - - 1,782.2
Scope1+2計 - - 1,888.6

【CO2排出量削減目標の設定】

当社では、中期(2022年~2024年)のCO2排出量の削減目標を定めています。
タツモ単体では、ここ数年の売上増加に伴い工場の使用施設が拡大したことによりCO2総排出量は増加しましたが、2023年は、自家消費型太陽光発電設備の設置や照明設備のLED化を実施しており、当初計画時と同条件での算定においては削減を実現しております。
特に太陽光発電稼働後は、設備を設置した工場等において平均20%の使用電力削減を実現しております。
カーボンニュートラルを見据えた持続可能な事業活動を達成するため、今後はグループ一体でCO2総排出量の削減に取組んでまいります。

  • CO2排出量削減目標

2024年度までにCO2総排出量の20%削減(2020年度比)
※2020年度総排出量・・・ 3,648(t-CO2)

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